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長岡ゆり Yuri Nagaoka Dance Medium

長岡ゆりと主宰する舞踏カンパニーDance Mediumの紹介とニュース

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舞踊批評家協会賞の授賞に関して

 20年近く前に私はこの賞の新人賞に中村文昭氏の推薦でテルプシコールでやったソロ公演がノミネートされた。
その5年後に今度は立木暁子氏と石井達郎氏の推薦で、plan.Bでやったアメリカ人とのデュオ公演がノミネートされた。
しかし両方とも落選していて、その後は新人とは言えない年齢になり、もうこの賞とは縁がないだろうなと思い、その存在すら忘れ果てていた。

 なので今回の授賞はまさしく晴天の霹靂である。
もちろん、共同演出振り付けなので私と正朔の二人の連名での授賞となった。

 選出にあたっては批評家達の間ではケンケンガクガクの議論が交わされたと聞く。
それはそうだろう、クラシックバレエや日本舞踊の評論家はまず舞踏公演を見に来ない。見ていないものを価値があるのかないのか判断する事はできないから、自分たちのジャンルの作品を授賞させたいと思うだろう。
去年行われた舞踏公演も数多くあり、舞踏評論家の間でもどれがいいか議論があったらしい。
その数ある公演の中で、最終的に私たちの「帰ル」が選ばれた事は本当に嬉しい。
関わって下さった全ての人々にひたすら感謝している。

 私は舞踏の世界に参入してから、はや30年近くなる。
子供の頃から踊っているバレエの時期も含めると何と44年も踊り続けていることになる。
もちろん踊りだけやっていたわけではなく、結婚、出産、離婚、再婚、出産、離婚、その間の鍼灸師の仕事と、実生活においての方が艱難辛苦の連続ではあったが、それでもやめずに踊り続けてきた理由はなんだったのだろう。

単に踊りたいというのではない。若い頃とちがって、さほど踊りが好きな訳ではない。単に好きと言うなら、物を書く事の方が好きだ。本屋と文房具屋にいる時に幸せと充実感を感じる。
しかし長い年月舞台を続けている間に、経験や勘のようなものが養われていて、それをさらに良い作品を創るために自然と使いたくなってしまうということなのかもしれない。これは、鍼灸の仕事でも同じだが....
それと、踊りの人間関係に、人生において出会うべき重要な人々が多いということもあるかもしれない。
しかし、一番の理由は、土方舞踏の本質を知るにつけ、興味が尽きないということだろう。どのジャンルの表現にも通底する本質的な思想が身体表現の中で豊かに花開いている。
まだまだ追求すべき事、やることは多くある。それが舞踏を続ける理由であろう。
やることがなくなることは考えられないので、恐らく今後も休む事なく続けて行くであろう。
 
今後も舞踏を続けて行くにあたって、今回の授賞がさらなる発展の為の機会になればと思う。

これまでご協力いただいた皆様、観客の方々に重ね重ねお礼を申し上げます。
これからも謙虚に、真摯に取り組んでいこうと思いますので、よろしくお願いいたします。

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